システム構成図の書き方 — 盤屋・電設・ソフト屋の認識ズレをゼロにする
最終更新: 2026-09-22 / カテゴリ: FA システム設計・制御ハードウェア / この記事は日本語のみです。
システム構成図は、装置やラインを構成するハードウェア(PLC、リモート I/O、サーボドライバ、ロボットコントローラ、画像処理機、 タッチパネル、上位 PC など)と、それらを結ぶ「神経系(産業用ネットワーク・電源・安全ライン)」を定義する最上位の全体設計図です。
しかし現場では、次のようなトラブルが後を絶ちません。
- 配線工事が終わった段階で「Ethernet ハブのポートが 1 口足りない」と判明する
- デイジーチェーン接続の順序(IN/OUT)が守られておらず、特定軸だけ通信フレームの遅延が起きる
- ハード設計とソフト設計で IP アドレスやノード番号の認識が食い違い、試運転初日に通信リンクが上がらない
システム構成図は、単なる「カタログ機器を並べたポン絵」ではありません。盤屋・電設工事・ソフト屋・客先が 同じ解像度で装置の全体像を共有するためのインターフェース仕様書です。
1. システム構成図に持たせるべき 3 つの役割
- 物理層とトポロジーの確定 スター型、ライン型(デイジーチェーン)、リング型など、物理的な配線トポロジーとケーブル種別(RJ45、M12、光ファイバー等)を固定する。
- 論理層(アドレス・プロトコル)の可視化 IP アドレス、サブネットマスク、ノード番号(ID)、通信周期、マスタ/スレーブ関係を同一紙面で突き合わせられるようにする。
- 分掌境界とロケーション(盤内・盤外)の明確化 メイン制御盤、中継ボックス、操作盤、機上設置のどれに配置されるのかを分け、工事境界をクリアにする。
2. 「結果のポン絵」と「機能する構成図」の違い
悪い例:線で繋いであるだけの「ポン絵」
現場で起きる問題: 「通信」が EtherNet/IP なのか、CC-Link IE なのか、Modbus/TCP なのか分からない。 IP アドレスもノード順も不明で、中継ハブが必要なのかデイジーチェーンなのかも電設屋に伝わりません。
良い例:ネットワーク属性と物理トポロジーが一体化した図
プロトコル種別、IP アドレス、ポートの入出力関係、設置場所(盤内・機上)が一目で把握できれば、 工事のミスや設計の食い違いは未然に防げます。
3. 現場でハマる「4 つの落とし穴」
- デイジーチェーン(数珠つなぎ)の許容ノード数オーバー — 配線長やパケット遅延の制約を無視して繋ぎすぎると、終端付近のスレーブで通信タイムアウトが頻発します
- IP アドレスのセグメント混在 — 社内 LAN(上位系)と制御 LAN(フィールド系)を同一ハブに直接挿してブロードキャストストームを引き起こしたり、サブネットが異なって疎通が取れなくなるケースです
- 電源系統(DC24V)のアイソレーション無視 — モータ・電磁弁などの動力系 DC24V と、PLC・センサなどの制御系 DC24V をシステム構成図の段階で分けておかないと、ノイズ重畳による原因不明の通信断に泣かされます
- 安全ネットワークと標準ネットワークの混同 — セーフティ PLC や非常停止信号の系統が一般系と物理的に分かれているのか、同一フィールドバス上で安全プロトコル(CIP Safety や FSoE 等)を通すのかを明記しないと、安全審査で差し戻しになります
汎用 CAD やパワーポイントで消耗していませんか?
PowerPoint で四角形を描いてコネクタを繋ぐと、機器を 1 台増やしただけで全体の配線が崩壊します。 かといって汎用電気 CAD を立ち上げるのは、構想段階や仕様打ち合わせには重すぎます。
制御設計をスムーズにつなぐ Web ツール群
この記事の「良い例」は、下の System Diagram Editor で作って SVG に書き出したものです。
- System Diagram Editor を開く
ブラウザ上で機器ブロックを配置し、ネットワーク種別(産業用 Ethernet、シリアル、I/O リンクなど)を選択して配線をサクサク接続。IP アドレスやノード管理も直感的に行えます。 - Address Map Editor を開く
構成図で決めた機器に、PLC デバイスと変数を割り付ける。 - Timing Chart Editor を開く
機器間でやり取りする信号の、時間的な動きを決める。
すべてインストール不要・登録不要で今すぐブラウザから利用できます。
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